明治大正昭和平成極楽浄土。

サラリーマン、ＯＬがランチ中の頃、二日酔いの僕はこの時間にしては珍しく混んでいる電車にガタンゴトン揺られ苦痛を感じながら出勤中だった。
そんな中、座っている僕の目に扉の付近で立っている男性に視線が釘付けになった。
だって！だって！だって！今時だよ！今時！宇治金時みたいな甘〜い、甘〜い食べ過ぎて糖尿になるなよぐらいの顔で見た目は若い兄ちゃんなのにワンレンボディパンチパーマだよ！
しかも白スーツ！吉本新喜劇のやくざ役だろ！
ここはバブル時代彷彿されるレトロな車内！！
いささか昼なのに夕方に背景が見えるよ！
この時期それだけでは寒いでしょ！
しかしこんなに釘付けになったのは学生時代に大好きだった女の子をずっと見ていて「何かよう？」と言われ咄嗟に消しゴムを渡して「え？」って言われ見つめた消しゴム、いやもしくは大好きなアイドルを見にいって可愛過ぎて直視し過ぎて体が金縛りにあった時！
いやさらに可愛い女の子が下ネタを言って視線以上に聴覚、嗅覚を研ぎ清まし人間の能力の限界を越えた時いらいの純粋で素直な気持ち。
哲也昔の記憶振り返り中！
それにしても見れば見るほどダウト！
そう思っているダウト兄さんはこちらを見ている！
繰り返します！こちらを見ている！
嘘だ！嘘だ！兄さん怖い系の人だよ！絶対に闇の世界の住人！夜行性だよ！
僕は笑った表情見せてないですよ！
あ！こちらに一歩、一歩近づいて来ている！！
笑ったのは隣のババァです！
糞ですよ！このババァは！！糞ババァですよ！オシッコひっかけてやりますよ！
兄さんいや兄様！兄王子！兄国王！許して下さい！
あ〜近づいてくる！
僕の敷地だぞ！入るな！ダメだ逆ギレした所で意味が無い！！
うわわわわわわわわわ！
殴られるよ！蹴られるよ！絶対に殺されるよ！！
極楽浄土に行かされるよ！見たことのない極楽鳥が見れるよ！ついでに極楽湯温泉に入ってやるかならな。
あ〜死ぬなら可愛い子ちゃんの胸の中で死にたい！
さようなら〜まだ見ぬ妻達よ！
日本は重婚は出来ませんが僕は今日で極楽浄土の住人になりますのであちらでは重婚したいと思います。
契りを兄貴と交わしとくべきだったよ〜。
目の前に招かざる客が来た。鬼の表情のお兄さんは僕に
「すいません」
と言って狭い隙間に座った！
え〜何その思わせ振り！
好きでも無いの相手に好意があるように思わせて、こっちが本気になったら昼休みに悪口を言う女子みたいな感じ！
しかも何故このタイミングで座るのよって僕の降りる駅何ですけど！！
慌てて降りようとしたが扉は閉まってしまった。
開けゴマ！アラジンでもあと次の駅に着く快速のたま１０分間は開かない。
しかしヘマはあったものの次に降りれば間に合う、お兄さんは普通に良い人かも知れない。
確実に優しい人間だ！人は外見で判断しちゃダメ！
きっとこの人の珈琲は砂糖は３杯以上入れるの甘い人間！！
ある意味では大量に砂糖を使う常連客だからコストアップしてしまう！
店の厄介者！でも甘い愛敬で許されてしまう！
友達になれそうだ！
よし隣にもう一度座ろうとしたらお兄さんは１.５人分席を占領して座らしてくれなかった。
「すいません」
と言ったらメンチを切られた。
あ〜神様！
人は見た目通り！